使節団の手記
他の使節団の手記によれば、十二支法の表記で「五ッ時半(午前9時)出発・四ツ時半(午前十一時)サソパブロ着」となっているから、玉虫の表現はむしろ現地の汽車の出発・到着時刻をそのまま忠実に記したものかもしれない。
それにしてもコ分五リン」というのはよく分からないが、海外に出てもなお、伝統的十二支不定時法に換算して記しているのは興味深い。
西洋式定時法を日本式不定時法へ換算する必要性は、このころから明治6年1月にいたるまで約20、3年間、日本社会が世界市場に包摂され国際化されるなかで、いっそう高まってくる。
そのニーズに応えて出現したのが換算早見表という便利なものです。
玉虫がすでに換算表を携えていたかどうかは不明であるが、ここに明治初めに出版された一冊子があります。
柳河春三『西洋時計便覧』(明治二年)がそれです。
それによれば不定時法を定時法に直すには、毎月時刻を調整せねばなりません。
そして現代のトレンドはD&G 時計など、ブランド時計が主流です。