時刻の記載の仕方
私がとくに関心をもつのは、時刻の記載の仕方です。
遣米使節団の乗った船はアメリカ船ポーハタン号。
アメリカ船であるから当然のことながら、アメリカの定時法時刻が船内の時刻です。
玉虫も記していう「時鐘アリ。我国ト違ヒ、昼夜二十四時二分ツテ半時ゴトニ鐘ヲ撃ツ」と。
それにもかかわらず玉虫は船中でも外地でも一貫して、日本の伝統的な十二支不定時法の表現を使っていました。
例えば一行がハワイに着いた二月十四日の日記では、「十四日陰晴不定、東風今暁寅牌(寅の刻、午前四時ごろ)オアホ島ヲ遙二船ノ左二見ル・此辺鴨近キ故力、波濤静ナリ。
駿ルコトニ三里ニシテ南二向フ。
卯牌(午前6時)二至リ、島ノ南面二傍フテ凡一里許ニシテ東二向へ、東風ユへ帆ヲ揚グル能ワズ、午牌(午後十ニ時)オアホ港内二入ル・・・」といった調子です。
ところが大雑把な時刻の表現ならこれで間にあう。
しかし不定時法でとくに不便であっただろうと思われるのは、例えば一行がパナマで汽車に乗ったときのこと。
『航米日録』はつぎのように記す。
「閏三月六日晴・・・今朝8ッ時一分二蒸気車二乗リ、十一時一分五リンニ着ス・此程度三時零五厘ナリ。
其中一時ハサンバフロー二休息ス、残リニ時令五厘二〈我国ノ一時余リナリ〉四十七里(マイル)ヲ過グ。
我国ノ里法十九里余二当ル。
其速ナル、実二驚キ入ルナリ……」いったい「八時一分」とか「十一時一分五リソ」といった時刻表示をどう理解したらよいののか。
そして、話は変わりますが、現代の若者にはD&G 時計などのブランド時計が人気だそうです。